尾張・美濃– category –
『記』『紀』『風土記』の伝承から、尾張国・美濃国の勢力・交通体系について考え、2国の関係を探ります。
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牟義公・守公と北濃
『紀』景行紀に、大碓命後裔氏族、身毛津君・守君がみえます。 『姓氏録』左京皇別下には、牟義公・守公と表記されています。(→ 大碓命後裔氏族) 「牟義(むげ)」の氏名は、「牟宜」「牟下」「身毛」とも記され、美濃国武藝郡の地名にもとづきます。 岐... -
美濃国大野郡の勢力
『日本霊異記』上巻第2縁に、 美濃国大野郡の男が、女に化けた狐と結婚して子をもうけ、 並外れた怪力をもつ子は、美濃国の狐直の祖となった、 という話がみえます。 (→ 美濃国大野郡の狐直伝承) 狐直という氏族は、諸史料に見えず、 実在する大野郡の... -
海部郡・中島郡・愛智郡の交通
『日本霊異記』第27縁に、愛智郡片輪里の女の話がみえます。 女は、尾張国中島郡大領に嫁いだのですが、怪力が災いして尾張国司と問題を起こし、離縁されて故郷に戻り、草津川の河津で洗濯していたところ、再び事件が起きます。 (→ 『日本霊異記』の尾張... -
『日本霊異記』の尾張の道場法師伝承
『日本霊異記』上巻第3縁に、尾張国愛智郡片輪里に雷神の子として生を受けた子の話がみえ、中巻第4縁・第27縁に、その子孫に関わる話がみえます。 上巻第3縁によると、敏達朝に、尾張国阿育知郡片蕝󠄁里で、落下した雷神を助けた農夫が雷神から子を授か... -
美濃国大野郡の狐直伝承
『日本霊異記』(景戒編、弘仁年間(810~824)成立)は、116話からなる仏教説話集です。 116の説話(縁)は、ほぼ年代順に配列され、上巻第1縁から第4縁まで、日本仏教史の前史が描かれ、第5縁以降、日本仏教史の叙述が開始されます。 上巻第2縁に、美... -
神八井耳と美濃・尾張
大海人皇子の湯沐(軍事的経済的基盤)は、美濃国安八郡にあり、湯沐令(統括者)は、神八井耳後裔氏族の多臣品治でした。 壬申の乱の際、大海人皇子は、まず最初に、村国連男依・和珥部臣君手・身毛君広を美濃国へ派遣し、多臣品治に安八郡の兵を起こさせ... -
美濃国池田郡の勢力
大宝2年(702)「御野国味蜂間郡春部里戸籍」の味蜂間郡春部里は、『和名抄』の池田郡春日郷とされ、粕川下流右岸の岐阜県揖斐郡池田町養基地区・揖斐川町脛永地区に比定されます。 奈良時代末から平安時代初期まで(746年~847年)、安八郡の郡域は、後の... -
美濃国不破郡の古墳分布
美濃国不破郡は、 池田山南麓および南宮山山麓を中心に、 前期から後期にわたる多数の古墳がみられます。 池田山南麓には、 全長140mの県下最大の前方後円墳である、 昼飯大塚古墳(4世紀後葉〜5世紀初頭)(昼飯町)、 兵庫県神戸市東灘区ヘボソ塚・ 京... -
美濃国造の本拠地
『記』開化系譜に、 日子坐王と、 近淡海御上祝が以ちいつく天之御影神女息長水依比売の子として、 神大根王(亦の名は八爪入日子王)がみえ、 三野国本巣国造・長幡部連の祖と記されます。 また、 『記』景行記に、 三野国造祖、大根王の娘、兄比売・弟比... -
『常陸国風土記』の長幡部伝承
『延喜式』神名帳の常陸国久慈郡にみえる長幡部神社は、茨城県常陸太田市幡町、多賀山系の西麓の舌状に延びる丘陵南端の明神森に鎮座します。 『常陸国風土記』久慈郡の条に次のように記されます。 郡の東七里、大田の郷に、長幡部の社あり。 古老の曰へら...
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